《プレスリリース》
サステナブルなスポーツイベントを実現させよう!
~東京2020大会開催まであと1000日~

2017年10月26日
持続可能なスポーツイベントを実現するNGO/NPOネットワーク(SUSPON)

東京2020大会の成功を契機に持続可能な社会づくりへと日本がますます前進していけるよう、私たちSUSPONは活動しています。東京2020大会開催まであと1000日となりますが、誘致の時に約束した環境社会に配慮した持続可能なイベントを実現するためのキーワードは、「エンゲージメント/協働」です。エンゲージメントは持続可能性に配慮した運営計画[1]においても重要な要素と位置付けられていますが、私たちSUSPONは市民の立場から具体的な提案を行い、組織委員会、東京都だけでなく、大会スポンサー企業などの関係団体との協働による東京大会での持続可能性の実現を願っています。
そこで、残り3年を切る今、具体的内容が求められている「持続可能性に配慮した運営計画 第2版」(2018年3月公表予定)に向けて、学識経験者たちが持続可能性配慮施策として何を提言していて、それに対応するアクションとして、民間部門や国内NGO・NPO達がどこまで準備を進めているのか?その実現のためには各主体がどのように参加することができるのか?について、公開ブリーフィングを開催、エンゲージメントの構築により準備の加速化を目指します。

[1]公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、2017年1月、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会持続可能性に配慮した運営計画第一版」
SUSPONが現在取り組んでいる主な活動について以下ご紹介します。SUSPONでは、これらの他にもエネルギーやユースの活動についても取り組んでいます。

  • 1)ごみゼロ社会の構築
  • 2)ボランティアへの持続性や環境配慮の教育
  • 3)生物多様性の主流化に向けた提言
  • 4)責任ある調達実現に向けた提言

1)ごみゼロ社会の構築

問題意識

大規模なイベントは短期間に膨大な廃棄物が排出されます。東京2020大会では、大量生産・大量消費・大量廃棄ではなく、3R(リデュース、リユース、リサイクル)の優先順位に沿った様々な方法を用いて、ごみゼロを目指した大会運営がなされるべきです。東京2020大会を契機に、脱使い捨ての取り組みを定着させ、循環型社会の構築を。

具体案

  • スポーツ施設、お祭やさまざまなイベントにおいてリユース食器が日本の文化として、定着する。
  • 水飲み場、水筒への給水可能なインフラをスポーツ施設や街中に増やし、人々の行動変化とともにレガシーとする。
  • リサイクル金属使用によるメダルや高度資源化、食品ロス削減に努め、レガシーとして社会へ定着する。

2)ボランティアへの持続性や環境配慮の教育

問題意識

持続可能性は、私たちがいつでもどこでも健康的に平和に暮らせるようにするために必要です。スポーツや文化を楽しんだり、災害時に助け合うことも含め、あらゆる社会・経済活動を行う上で大事な考え方です。このような考え方を普及するために、私たちは、一人ひとりが自発的に行動することが大事だと考えています。社会の課題解決に向けて行動できる人が増えることを願って、持続可能性に配慮したボランティア活動を広げていきます。

具体案

  • 大会ボランティア、都市ボランティアのすべての人に、持続可能性に関する情報提供を行うための冊子を作成し、研修機会を設ける。
  • 大会を契機に持続可能な社会づくりに寄与する人材が増えるよう教育機関や行政・民間企業と連携し、教育プログラムを作成・普及する。

3)生物多様性の主流化に向けた提言

問題意識

東京大会をきっかけに生物多様性の主流化を目指し、過去のオリンピックに見られたような大会開催による生物多様性の劣化を防ぐだけでなく、プラスの効果を生み出すオリンピックとすることを提案します。さらに、東京で開催される大会のレガシーとして都市における生物多様性の向上にどうつなげるかという視点も重要です。

具体案

  • 葛西三枚洲をラムサール登録地とする。
  • 三枚洲の保全・利用のあり方について、地域のステークホルダーで議論を深める。

4)責任ある調達実現に向けた提言

問題意識

違法伐採や農園転換のための大規模森林開発を原因に進む、世界の森林減少・劣化は、日本における森林伐採に由来する木材・紙、パーム油などの利用・調達ともつながっています。東京大会を契機に持続可能性を追求した責任ある原材料調達を日本の業界スタンダードにすることを目指します。

具体案

  • 持続可能性に配慮した調達コードに対する提言とその実施状況のモニタリングを行う。

SUSPONが強調する3つの視点

★市民参加

東京2020大会こそ、市民、企業、行政が参加して、日本の未来であるレガシー(遺産)を作る、そのプロセスや実施にNGO/NPOが影響を与えていくことでより開かれ、透明性のあるものへ。多くの人々が参加できる仕組みを作り、参加型の社会を構築しよう。

★横のつながりを活かす

環境だけではなく、人権、福祉など国内外のNGO/NPOが持つネットワークや横のつながりを活かし、幅広い視野で問題を捉え、解決していくことができる。

★対話の場をつくっていく

行政や企業と対立するのではなく、国際的なネットワークや様々な経験を活かして、開催に向けた提案、対話の場を作り、お互いを尊重し、協力し合っていくことこそが、持続可能な未来に向けた唯一の道。

SUSPON参加団体(2017年10月26日現在17団体、五十音順)

‐ NPO iPledge (アイプレッジ)
‐ A SEED JAPAN
‐ 地域環境デザイン研究所 ecotone
‐ NPO法人ezorock
‐ 国際環境NGO FoE Japan
‐ 環境パートナーシップ会議(EPC)
‐ 認定NPO法人 環境リレーションズ研究所
‐ Climate Youth Japan(CYJ)
‐ グリーン購入ネットワーク(GPN)
‐ グリーン連合
‐ CSOネットワーク
‐ 持続可能な社会をつくる元気ネット
‐ 水Do!ネットワーク
‐ 認定NPO法人 スペースふう
‐ 地球・人間環境フォーラム
‐ 日本自然保護協会(NACS-J)
‐ 日本野鳥の会


この件に関する問合せ
SUSPON(持続可能なスポーツイベントを実現するNGO/NPOネットワーク)事務局
(一財)地球・人間環境フォーラム(担当:坂本、斉藤、天野)
TEL:03-5825-9735/Email:contact_suspon@suspon.net/http://www.suspon.net